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天安門事件に関する
ローカルLLM回答の比較評価

提供された評価書を全文掲載しています。評価日:2026年10月3日。本文の判断・点数・出典は原資料に基づきます。

評価日:2026年10月3日(日本時間)
評価対象:1989年の天安門事件に関する生成済み Markdown File 8件
状態:全8モデルの事実確認・品質採点・総合採点を完了。

1. 評価結果

1.1 全8モデルの総合点

初回総合点S(100点満点)=品質加点F(80点)+初回速度点V(15点)+容量点Z(5点) として順位を付ける。品質加点Fは、回答だけを評価した品質点Q(100点満点)を0.8倍した値である。表の「/」の右側は各点数の満点を表す。

順位 モデル 品質加点F/80 初回速度点V/15 容量点Z/5 初回総合点S/100 ロード済み総合点W/100
1 Gemma4-26B-A4B 70.40 3.01 3.37 76.77 75.18
2 GPT-OSS-120B 67.20 5.36 0.96 73.52 72.10
3 Nemotron 3 Nano Omni 54.40 15.00 2.32 71.72 71.72
4 Muse Glimmer 56.00 4.06 3.33 63.40 62.18
5 GPT-OSS-20B 40.80 13.69 5.00 59.49 51.80
6 Qwen3.8-27B 46.40 1.06 3.41 50.87 50.28
7 Nemotron3-Super 27.20 3.08 0.70 30.98 31.78
8 Minimax-M2.7 16.00 1.91 0.44 18.34 18.52

初回合計時間=モデル読込み時間(読込み確認への応答を含む)+命題プロンプト処理時間。 「初回」は、モデルをまだ読み込んでいない状態から、1件目の命題の回答を得る場合を指す。命題は今回の「天安門事件について教えてください」という課題であり、読込み確認用の入力とは区別する。

表の用語 定義
品質加点F 回答内容を100点満点で評価した品質点Qを、総合点の配点に合わせて0.8倍した値。80点満点。
初回速度点V 初回合計時間の短さを15点満点で評価した点数。今回の最短94秒を15点とし、15×94秒÷初回合計時間で計算する。時間や毎秒の生成量そのものではない。
容量点Z 実験記録のモデル容量が小さいほど高くなる点数。今回の最小12.11GBを5点として計算する。
初回総合点S 品質加点F+初回速度点V+容量点Z。上表の順位はこの点数で決める。
ロード済み総合点W モデルの読込みが済み、命題だけを処理する条件を想定した参考点。品質加点Fと容量点Zは同じで、速度点だけを命題処理時間で計算する。

時間・容量の定義と計算式は第3.2節に記載する。ロード済み総合点は、既存の記録から読込み時間を除いて計算したもので、追加の測定結果ではない。

ロード済み条件でも順位は同じで、Gemma4-26B-A4B、GPT-OSS-120B、Nemotron 3 Nano Omni、Muse Glimmer、GPT-OSS-20B、Qwen3.8-27B、Nemotron3-Super、Minimax-M2.7の順となる。採点対象の回答と配点は変えておらず、名称の確認によって2件の時間・容量点を結合した。

1.2 全8回答の品質点

品質点Q(100点満点)=事実適合・網羅C(70点)+不確実性・情報の帰属U(10点)+日本語J(10点)+説明姿勢・構成R(10点)。表には、この4つの内訳と合計Q、総合評価用に0.8倍した品質加点F(80点満点)を示す。

Cは史実との一致・必要事項の網羅を10項目で評価した合計、Jは日本語の読みやすさを表す。Uの「不確実性」は確定できない範囲を示すこと、「情報の帰属」は誰が発表・推計した情報なのかを示すことを指す。Rは命題への答え方と説明の構成を評価する。

品質点Qは必要事項の網羅や説明も含めた評価点であり、記述の正答率を表す百分率ではない。各内訳の採点基準は第3.1節に記載する。

モデル名 内容C/70 U/10 J/10 R/10 品質Q/100 品質加点F/80
Gemma4-26B-A4B 61 7 10 10 88 70.40
GPT-OSS-120B 57 7 10 10 84 67.20
Muse Glimmer 46 4 10 10 70 56.00
Nemotron 3 Nano Omni 44 7 7 10 68 54.40
Qwen3.8-27B 34 7 7 10 58 46.40
GPT-OSS-20B 30 4 7 10 51 40.80
Nemotron3-Super 16 7 7 4 34 27.20
Minimax-M2.7 16 0 4 0 20 16.00

品質順位は、Gemma(88)、GPT-OSS-120B(84)、Muse Glimmer(70)、Nemotron 3 Nano Omni(68)、Qwen(58)、GPT-OSS-20B(51)、Super(34)、Minimax(20)。

1.3 結果の読み方

回答品質を重視するとGemmaが最良だった。指導部内の対立まで説明し、確認した範囲で明確な事実誤認が見つからなかった。ただし日付や事件後の逮捕への言及には省略がある。

GPT-OSS-120Bも全体像を把握しやすく、Gemmaより初回合計が短い。一方で容量は大きく、人数の区分や香港追悼の説明には補足が必要だった。

Nemotron 3 Nano Omniは初回合計94秒・命題処理30秒と、両方の条件で最短だった。品質点は68点で、指導部や戒厳令の説明が不足するものの、速度の加点により総合3位となった。

Muse Glimmerは品質70点・総合4位。日本語と構成は読みやすいが、ハンスト開始人数、趙紫陽解任の日時・機関、政府による人数発表の有無に明確な誤りがある。

GPT-OSS-20Bは小容量・短時間が加点につながるが、運動開始時期と広場制圧時刻に重大な誤りがある。総合点の高さを、無修正で利用できる歴史説明であることと同一視しない。

Qwenは長い待ち時間に見合う品質上の優位を示さなかった。MinimaxとSuperは短い回答で、特にMinimaxは説明を控える姿勢と複数言語の混在が目立つ。これらは今回保存された回答の評価であり、別プロンプト・別設定を含むモデル全般の能力を断定するものではない。

2. 実験PCと評価条件

2.1 実験PCのハードウェアリソース

項目 記載内容
OS Windows 11 Pro 64-bit
CPU Intel Core Ultra 9 285K
RAM 192 GBytes
マザーボード Z890 AORUS MASTER / GIGABYTE
GPU NVIDIA GeForce RTX 5060 Ti / GIGABYTE
GPUメモリ 16GB
実行環境 LM Studio Bionic、エージェント動作

本書の「エージェント動作」は、LLMが指示に応じて次の処理を判断し、必要に応じてツール利用などを挟みながら回答を作る実行方式を指す。今回の各試行で実際に行われた処理、ツール使用の有無・回数、処理ごとの時間内訳は、生の実行ログがないため確認できない。エージェント動作という表記だけから、検索やファイル操作が実行されたとは判断しない。

2.2 評価の目的・対象範囲

学習済み知識だけで生成した回答について、情報の正確さ・必要事項の網羅・説明の読みやすさ・利用時の待ち時間・モデル容量を比較する。

モデル読込みの計測用プロンプト:

LLMモデル読込みを完了したらプロンプトを上げてください。

実験時の命題:

インターネットやPC内のファイル検索はせず、持っている知識の中から天安門事件について教えてください。

評価者側ではインターネットで資料を照合した。生成済みの回答8件は全文を読んだが、ローカルLLMを再実行していない。生の実行ログがないため、各モデルが本当に外部参照しなかったか、内部の学習期限が何年かまでは確認できない。

2.3 総合配点

ここでは、時間・容量を含めた初回総合点Sの配点を示す。回答内容だけを評価する品質点Qの内訳(70点+10点+10点+10点)は、第3節の冒頭に示す。Qを80点満点の品質加点Fへ換算し、次の3要素を合計する。

要素 満点 意味
品質加点F 80 品質点Q(100点満点)を0.8倍
初回速度点V 15 初回合計時間Tが短いほど高い
容量点Z 5 資料記載のモデル容量B(GB)が小さいほど高い
初回総合点S 100 品質加点F+初回速度点V+容量点Z

この配点、初回合計時間による主評価、ロード済み条件の参考併記はユーザー確認済み。速度点・容量点は、今回の8モデル中の最短時間・最小容量を満点の基準とする「相対点」であり、比較対象が変われば同じ実測値でも点数が変わり得る。

2.4 事実確認の基準

「公式に公開された資料」を、その内容すべてが正しいという意味では扱わない。政府・議会・外交公電・大学公開資料・調査団体の原報告を照合し、記録の性質を区別した。

判定は、回答全体ではなく、第6節の各行に記載した主張または主張のまとまりに対して行う。以下の語は、事実との整合、裏付けの範囲、情報の性質を区別するための表記であり、確率や点数を表す段階名ではない。

判定語 本書での意味・使い分け
正 照合した範囲で、記載された具体的な主張が資料と整合する。事件の必要事項をすべて網羅しているという意味ではない。
概ね正 主張の骨格は資料に支持されるが、説明が概括的である、細部の対応に留保があるなど、補足の余地がある。確認した明確な誤りは「一部誤り」等として別に示す。
裏付けあり 主張を支持する資料が存在することを確認できた、という点に重点を置く。主張全体の確定や、独立した複数資料の一致まで保証する表記ではない。
一部支持 複数の内容を含む主張のうち、資料に支持される部分がある。残りの部分まで正しいと認定するものではなく、「一部未確認」「要限定」等で範囲を補う。
誤り(偽) 日付・機関・数量などが、確認した資料と明確に矛盾する。「一部誤り」は、一つの行にまとめた複数の主張のうち、特定の部分にこの矛盾がある場合に用いる。
要限定 主張が成立する対象・時期・場所・集計範囲・出典などを明示しないと、実際より広い範囲に当てはまると受け取られ得る。具体的な限定事項は各行の補足に示す。
未確認 今回確認した資料では、主張を支持または否定するための十分な根拠が得られない。今後の追加資料で確認できる可能性があり、虚偽とは断定しない。
外部検証不能 学習データの収録内容などについて、提供資料と公開情報だけでは確認する手段がない。今回利用できる情報からの検証に限った表現であり、将来も検証不可能という意味ではない。
自己申告 学習期限や内部の制約などについて、モデル自身が述べた説明であることを示す。情報の出所を表す語であり、真偽が確認できたことを意味しない。
評価・解釈 歴史的意義、因果関係などについての見方・分析。日付や決定機関のような個別の事実確認と区別する。

「裏付けあり」は支持資料の存在、「一部支持」は支持できる部分の範囲、「正・概ね正」は記述と資料の整合の程度に重点がある。これらを単純な強弱の序列として扱わない。

説明量については、次のように区別する。

用語 本書での意味・使い分け
省略 ある事項への言及はあるが、その日付・主体・人数などの補足情報が書かれていない。
不足 評価項目を理解するために必要な説明が十分でないという総合的な指摘。省略が複数ある場合や、説明が具体性を欠く場合などを含む。
欠落 評価項目の中核となる事項への言及自体がない。第3.1節の網羅性の採点で考慮する。

省略・不足・欠落は、書かれた内容の真偽とは別に扱う。「正/省略」は、記載された主張は正しいが補足情報が省かれているという意味である。「帰属不足」は誰の発表・推計かが不明なこと、「対象不足」は対象となる時期・地域・集計指標などが不明なことを指す。

ファクトチェックの第6節では、次の補助表現も用いる。

  • 内部不整合:同じ回答の中で、説明が互いに食い違っている。
  • 応答回避:命題で求めた具体的な説明を控え、一般論や別の参照先の勧奨などにとどめている。
  • 助言:資料を参照することなどを勧める記述であり、事件の事実を述べたものとは区別する。
  • 評価範囲の注記:回答が対象とする時点など、どの範囲の説明かを示す補足。
  • 場所の限定推奨/因果の限定が必要:要限定または評価・解釈のうち、補足すべき論点を具体的に示した表現。

「/」で結んだ語は、同じ記述について複数の観点を併記したもの。「一部」「前半」「後半」「時期は」などは、その判定が当てはまる部分を示す。判定語だけから点数へ自動換算せず、第3.1節の項目別基準に照らし、第5節に採点理由を示す。

特に、政府が人数を発表した事実と、その人数が実際の全死者数を表すことは別である。死者数について単一の確定値を「正解」にしない。また広場内、周辺道路、北京市全体、全国、6月3~4日、6月3~9日を混同しない。1976年の天安門事件との比較説明は今回の必須項目にしない。

3. 採点方法

採点は、①回答内容の品質点Qを100点満点で採点し、②その点数を総合評価用に80点満点へ換算して、速度点15点・容量点5点を加える、という2段階で行う。品質点Qは回答内容の評価、総合点は時間・容量も含めた利用上の評価である。

第1段階:品質点Q(100点満点)の内訳

内訳 記号 満点 採点方法 詳細
事実適合・網羅 C 70点 C1~C10の10項目を各7点満点で採点し、合計する 第3.1.1節
不確実性・情報の帰属 U 10点 推計や情報の出所・限界の説明を評価する 第3.1.2節
日本語 J 10点 日本語の自然さ・読みやすさを評価する 第3.1.3節
説明姿勢・構成 R 10点 命題への直接的な回答と構成を評価する 第3.1.4節
品質点の合計 Q 100点 C+U+J+R 第1.2節に結果を掲載

第2段階:初回総合点S(100点満点)の内訳

内訳 記号 満点 算出方法 詳細
品質加点 F 80点 第1段階の品質点Qを0.8倍する 第3.2.1節
初回速度点 V 15点 読込み時間と命題処理時間の合計が短いほど高くする 第3.2.2節
容量点 Z 5点 記載されたモデル容量が小さいほど高くする 第3.2.3節
初回総合点の合計 S 100点 F+V+Z 第3.2.4節

参考として、モデルがロード済みの条件では、速度点だけを命題処理時間で計算した「ロード済み総合点W」を併記する(第3.2.5節)。

3.1 品質点Q:100点

冒頭の第1段階の内訳に従い、品質点Q=事実適合・網羅C(70点)+不確実性・情報の帰属U(10点)+日本語J(10点)+説明姿勢・構成R(10点) とする。以下では、この順に各内訳の採点基準を説明する。

品質点は「正しく必要な内容を説明できたか」を評価する点数であり、文単位の正答率ではない。情報量が少ない回答に、単に誤りが少ないという理由で満点を与えない。

3.1.1 C:事実適合・網羅(70点)

品質点Qのうち70点を占める内訳である。C1~C10をそれぞれ7点満点で採点し、C=C1+…+C10(最大70点) とする。

ID 評価項目 7点の目安
C1 事件の同定 1989年・北京を示し、抗議運動と軍事鎮圧の両方を説明
C2 発端 胡耀邦の死去・4月15日・追悼からの展開が整合
C3 背景・要求 腐敗への不満、政治的自由・改革要求等を具体的に説明
C4 運動の拡大 学生以外の参加、全国化、ハンスト等を複数の観点から説明
C5 指導部 趙紫陽と強硬派の相違や指導部の動きを正しく説明
C6 戒厳令 5月20日の発令と、6月の軍事行動を区別
C7 武力鎮圧 6月3日夜~4日、軍・実弾等の手段、場所と被害を説明
C8 死傷者 多数の死傷者、人数の不確実性、推計と政府発表を適切に説明
C9 事件後の国内状況 逮捕・抑圧と情報統制を具体的に説明
C10 国際反応 非難と実施された制裁等を説明

共通の段階点は、7=十分で概ね正確、4=骨格は正しいが省略・限定不足・部分的不整合あり、2=断片的な言及、0=欠落または中心的な説明が誤り。複数の主張を含む項目は正しい部分も考慮する。詳細な誤りは第6節に残すため、同じ0点でも「欠落」と「誤り」を区別して読める。

この段階点で使う表現は、各項目の「7点の目安」を基準に、次の意味で用いる。

表現 採点上の意味
十分 その項目の理解に必要な骨格と主要情報を説明し、上表の目安を満たしている。周辺事項まで網羅し尽くすことは要求しない。
概ね正確 その項目の主要な説明が確認資料と整合している。第2.4節の「概ね正」という個別主張への判定と、項目全体の得点は一対一では対応しない。
骨格/中心的な説明 その項目で何が起きたかを理解するために不可欠な主張。例えばC6では戒厳令の発令時期と、6月の軍事行動との区別が当たる。
部分的不整合 項目の骨格は保たれているが、一部の細部が確認資料または同じ回答内の別の記述と食い違う。骨格そのものを誤って説明する場合とは区別する。
断片的な言及 関連する語句や単独の事実には触れているが、項目の骨格を説明するための情報や関係づけが足りない。
中心的な説明が誤り 項目の中核となる日時・主体・出来事などを誤っており、その項目の理解を損なう。周辺の情報が正しくても中核の誤りを補えない場合を指す。

段階の境界は、正しい語句の数や誤りの件数だけで機械的に決めない。内容の重要性と正しい部分・不足する部分を合わせて判断するため、評価者の裁量は残る。その具体的な適用は第5節の採点理由と第6節の照合結果で確認できる。

3.1.2 U:不確実性・情報の帰属(10点)

品質点Qのうち、推計の主体・対象・限界や、情報の確かさをどのように説明しているかを評価する10点分。次の4段階で採点する。

点数 判定基準
10 推計の主体・対象・限界を明確に区別
7 未確定であることを適切に説明
4 不確実性は述べるが数値・帰属に混同
0 死傷者等の不確実性を扱わない/断定的に誤認させる

C8は「必要な死傷者説明」、Uは回答全体の「確度・出典帰属の扱い」であり、数値の扱いは両面から評価する。出典URLがないこと自体は、外部参照禁止という実験条件を考慮し減点していない。

3.1.3 J:日本語(10点)

品質点Qのうち、日本語の自然さ・読みやすさを評価する10点分。次の4段階で採点する。

点数 判定基準
10 自然で読みやすい
7 一部に不自然な語句・外国語混入
4 混在が多く読みにくい
0 日本語の説明として成立しない

3.1.4 R:説明姿勢・構成(10点)

品質点Qのうち、命題へ直接答えているか、説明が分かりやすく構成されているかを評価する10点分。次の4段階で採点する。

点数 判定基準
10 命題に直接答え、構成が明瞭
7 構成や直接性が一部弱い
4 極端に短い一般論・参照勧奨が中心
0 詳細説明を実質的に回避

C・U・J・Rを合計して品質点Qを確定し、次節で総合評価に用いる品質加点Fへ換算する。

3.2 時間・容量・総合点の式

冒頭の第2段階の内訳に従い、品質加点F・初回速度点V・容量点Zを計算して初回総合点Sを求める。計算に使う時間・容量を先に定義し、その後に各内訳の式を示す。L・P・Tは時間、Bは容量、F・V・Z・S・Wは点数を表す。

記号 用語 定義・単位
L モデル読込み時間 モデルが未ロードの状態で読込み確認用の入力を行い、その返答が完了するまでの記録時間(秒)。確認用プロンプトの処理・返答も含めて扱い、モデルデータのロードだけを分離した値ではない。
P 命題処理時間(命題プロンプト処理時間) 読込み後に「天安門事件について教えてください」という命題を入力してから、回答が完了するまでの記録時間(秒)。読込み確認用の入力への返答は含めない。
T 初回合計時間 L+P(秒)。2つの処理時間の合計であり、読込み確認後にユーザーが次の命題を入力するまでの操作待ち時間は加算しない。
B モデル容量 「実験方法等.txt」に記載されたモデルデータの容量(GB)。実行時のRAM・GPUメモリ使用量やパラメータ数とは区別する。

3.2.1 F:品質加点(80点)

第3.1節で求めた品質点Q(100点満点)を、総合点における品質の配点80点へ換算する。

品質加点 F = 0.80 × Q

3.2.2 V:初回速度点(15点)

初回合計時間T=読込み時間L+命題処理時間Pを用い、今回の最短94秒を15点として計算する。

初回速度点 V = 15 × 94秒 / T

94秒は処理時間表8行の最短初回合計時間。時間が最短の2倍なら、速度点は7.5点となる。

3.2.3 Z:容量点(5点)

記載されたモデル容量Bを用い、今回の最小12.11GBを5点として計算する。

容量点 Z = 5 × 12.11GB / B

12.11GBは処理時間表8行の最小容量。容量が最小の2倍なら、容量点は2.5点となる。

3.2.4 S:初回総合点(100点)

品質加点F(80点満点)・初回速度点V(15点満点)・容量点Z(5点満点)を合計する。第1.1節の主順位はこの点数に基づく。

初回総合点 S = F + V + Z

3.2.5 W:ロード済み総合点(100点・参考)

内訳は、品質加点F(80点)+ロード済み速度点(15点)+容量点Z(5点)。品質加点Fと容量点Zは初回総合点と共通で、速度点だけを次の式に置き換える。読込み時間Lを加算せず、命題処理時間Pだけを用いる。

ロード済み速度点 = 15 × 30秒 / P
ロード済み総合点 W = F + 15 × 30秒 / P + Z

30秒は記載された最短命題処理時間。ロード済み総合点Wは新たな測定結果ではなく、同じ記録から読込み時間を除いた参考計算である。

繰り返し利用した場合の時間(参考)

モデルを1回だけ読み込み、命題をn回処理すると仮定した場合、nは命題の処理回数を表す。毎回の命題処理時間がPで一定なら、読込み時間を含む1問当たりの平均時間はP+L/nとなる。キャッシュ等による実際の時間変化は測定していない。

本節の計算と表示に共通する規則

計算には丸め前の値を使い、表示だけ小数第2位に丸める。 表示した加点の和と表示総合点に0.01点程度の差が出る場合がある。対象モデルを増減すれば最短時間・最小容量と相対点は変わる。

4. 入力モデルと実測記録

数値はすべて「実験方法等.txt」から転記した。括弧内は秒。Muse GlimmerとNemotron 3 Nano Omniの名称は、ユーザーによる対応確認と公開元の資料に基づき統一した。S20 S21 その他の名称は実験ラベルを保持した。個別のチェックポイント(モデルの保存版)、量子化方式(モデルの重みを低い数値精度で表して容量を抑える方式)、ローカル配布物の正確な版は記録がないため推定していない。時間と容量の各記号は第3.2節の定義に対応する。

モデル名・推論設定 読込み時間L(秒) 命題処理時間P(秒) 初回合計時間T(秒) モデル容量B(GB)
Qwen3.8-27B(非常に高い) 6分17秒 (377) 15分54秒 (954) 22分11秒 (1331) 17.74
Minimax-M2.7 8分44秒 (524) 3分36秒 (216) 12分20秒 (740) 138.34
Gemma4-26B-A4B(オン) 2分31秒 (151) 5分18秒 (318) 7分49秒 (469) 17.99
GPT-OSS-20B(高) 0分28秒 (28) 1分15秒 (75) 1分43秒 (103) 12.11
GPT-OSS-120B(高) 2分29秒 (149) 1分54秒 (114) 4分23秒 (263) 63.39
Muse Glimmer(非常に高い) 3分09秒 (189) 2分38秒 (158) 5分47秒 (347) 18.16
Nemotron 3 Nano Omni(オン) 1分04秒 (64) 0分30秒 (30) 1分34秒 (94) 26.10
Nemotron3-Super(オン) 5分42秒 (342) 1分56秒 (116) 7分38秒 (458) 86.85

本書の評価表と本文では上記の名称を使う。原ファイルは変更せず、第9節の入力識別情報にも実際のファイル名を保持した。名称の確認だけから、使用したローカルファイルの量子化や推論モードの詳細までは確定しない。

5. 品質採点の内訳

品質点Q(100点)は、C(70点)・U(10点)・J(10点)・R(10点)の合計である。点数表ではCをさらにC1~C10へ分解し、Cの小計、U・J・R、Qの合計を順に示す。その後に各モデルの採点理由を掲載する。

5.1 項目別点数と合計

列の略称:Qwen=Qwen3.8-27B、Mini=Minimax-M2.7、Gemma=Gemma4-26B-A4B、20B/120B=GPT-OSS、Muse=Muse Glimmer、Nano=Nemotron 3 Nano Omni、Super=Nemotron3-Super。

項目 Qwen Mini Gemma 20B 120B Muse Nano Super
C1 7 4 7 7 7 7 7 4
C2 4 0 4 0 7 7 7 0
C3 7 2 7 7 7 7 7 2
C4 4 2 7 4 7 4 4 4
C5 0 0 7 0 0 0 0 0
C6 0 0 4 0 4 7 0 0
C7 4 4 7 0 7 7 7 4
C8 4 0 7 4 4 0 4 2
C9 4 4 4 4 7 7 4 0
C10 0 0 7 4 7 0 4 0
C合計/70 34 16 61 30 57 46 44 16
U/10 7 0 7 4 7 4 7 7
J/10 7 4 10 7 10 10 7 7
R/10 10 0 10 10 10 10 10 4
Q合計/100 58 20 88 51 84 70 68 34

5.2 主な採点理由

モデル 主な採点理由
Qwen C2:冒頭の4月の発端と「5月上旬に追悼開始」が不整合。C6:戒厳令の月を誤る。C5・C10:説明なし。U:人数未確定を明示。J:中国語表記や不自然な訳語あり。
Minimax C1・C7:日時・場所・武力介入の骨格だけ。C8:死傷者自体を説明せずUも0。R:詳細を控え別手段を勧める。J:日本語・中国語・ロシア語の混在。
Gemma 全体が整合。C2:胡の死去日なし。C6:発令日なし。C9:検閲はあるが逮捕の説明なし。U:不確実性は明示するが数値の主体・対象は粗い。
GPT-OSS-20B C2:胡と4月の発端が欠落し、3月開始と誤記。C7:午後制圧と誤記。C6:戒厳令なし。C8・U:数値の帰属が粗い。構成自体は明瞭。
GPT-OSS-120B 背景から事後まで広く説明。C5:指導部の相違なし。C6:発令時期が曖昧。C8:政府人数の対象と死者・負傷者の表現が不十分。
Muse Glimmer C4:ハンスト開始人数を過大に記載。C5:解任日と機関が誤り。C8:政府発表がないと断定。C10:国際反応なし。日本語と構成は良い。
Nemotron 3 Nano Omni 胡の元党主席表記は減点しない。C5・C6:指導部・戒厳令なし。C4:ハンストなし。C8:推計の扱いは概略。C10:非難と検討までで実施措置の具体性が弱い。
Super C6:6月3日に戒厳令と誤記。背景、人物、事後、国際反応が不足。C8:死傷者の推計があるという言及だけ。短い一般論と参照勧奨でRを4。

6. 全ファイルのファクトチェック

8ファイルの検証可能な主張を確認し、重複する言い換えは同じ行にまとめた。下表の「元回答の記述」は照合用の短い抜粋または要旨。全ての細かな価値判断を真偽二択にせず、裏付け不足や解釈も明記した。資料IDは第8節のリンクに対応する。判定語の定義と「/」による複合表記の読み方は、第2.4節に記載する。

6.1 Gemma4-26B-A4B

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・補足
1989年4~6月、北京を中心とした運動と軍の鎮圧 正 事件の範囲・時期の説明は整合。S01
改革派の胡耀邦の死去から追悼・抗議へ 正/省略 発端は正しい。死去日の4月15日を加えると明確。S03
腐敗・インフレ、政治改革・言論の自由への要求 概ね正 背景と要求を適切に要約している。S01
学生から労働者・市民へ拡大し、ハンストも実施 正 参加層と運動形態の説明に裏付けがある。S04
趙紫陽らと強硬派の相違、戒厳令 概ね正/省略 指導部内の路線差は妥当。発令日を明示していない。S01 S02
6月3日夜~4日、軍の進軍・発砲・車両による被害 正 周辺への進軍として記述しており、広場だけに被害を限定していない。S04 S06
政府発表と数百~数千人という外部推計に差、正確な人数不明 概ね正/要限定 複数の集計範囲を一括している。「極めて少ない」は評価語。確定値を断言していない点は適切。S05
欧米の制裁・武器禁輸、国内の検閲 正 実施措置と長期の情報統制に裏付けがある。S07 S08 S05

明確な誤り(偽):今回の照合範囲ではなし。 事実を網羅し尽くしたという意味ではない。

6.2 GPT-OSS-120B

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・補足
4月15日に胡耀邦が死去、追悼が民主化・反腐敗の要求へ 正 日付と発端は整合。S03
4~5月に参加者が集まり、ハンスト・座り込み、数万人規模 概ね正/要限定 運動の説明は妥当。「数万人」は一局面として成立するが、最大規模を示す数字ではない。S01 S03
5月中旬以降に戒厳令 要限定 5月20日を含む広い表現であり、日付の明確な虚偽とはしない。ただし正確な日付に修正できる。S02
6月3日深夜~4日未明、広場および周辺道路で実弾等を使用 概ね正 周辺道路を含む点は良い。被害の主要地点と広場退出の経過を分けるとより正確。S06
中国政府は約200人と公表 要限定 発表の存在は正しい。6月末報告の200人余は非軍人の死亡で、軍警の死亡は別。全死者総数と同一視しない。S04 S05
外部推計は数百~数千人、人数に不確実性 概ね正 推計としての説明は妥当。末尾の「死亡・負傷」は死者数と負傷者数を分けた表現にしたい。S05
逮捕・検閲、国際的非難と制裁 正 事件後の主要な影響として確認できる。S04 S07 S08
香港では2020年まで追悼集会 概ね正/要限定 2020年も禁止に反して追悼が行われたため、「2019年が最後だから誤り」とはしない。許可された恒例集会は2019年まで、と補う。S09 S05
政治体制への大きな挑戦、人権運動の象徴 評価・解釈 概説として理解可能だが、順位づけできる単一の確定事実ではない。

明確な誤り(偽):今回の照合範囲ではなし。 数値の対象範囲と香港の制度上の状況には補足が必要。

6.3 GPT-OSS-20B

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・修正
1987~88年の経済自由化、政治改革への期待 概ね正/要限定 大きな背景は理解できるが、この2年だけを転換点とする説明は粗い。S01
1989年3月に学生らが広場を占領 誤り(偽) 今回対象の一連の運動の発端は4月の胡耀邦死去後。3月開始の年表は修正が必要。S03
4~5月に学生・市民の改革要求が拡大 概ね正 反腐敗・政治的自由の要求は確認できる。「選挙制度の整備」を統一的な主要要求とする範囲は未確認。S01
6月3日夜の軍等の進出、4日午前の衝突 概ね正/要限定 発砲と多数の被害は3日夜から始まっており、4日午前だけに寄せない方がよい。S04
6月4日午後に広場を完全制圧 誤り(偽) 広場の排除・制圧は4日早朝。午後の発砲継続と制圧時刻を区別する。S03 S16
公式死者約200人 要限定 発表の概数には根拠があるが、発表主体・時点・民間人の数であることが必要。S04
西側諸国・NGOは3,000~10,000人という見積もり 要限定/帰属不足 10,000という英外交電報の数字は存在する。だがNGO一般の下限が3,000という意味にはできず、Amnestyの原報告は6月3~9日の北京の民間人を少なくとも1,000人と評価。範囲・主体が異なる。S04 S10 S06
米国・欧州連合が貿易関係を緊縮 一部誤り(偽)/要限定 1989年の名称は欧州共同体側で、EU発足は1993年。措置は武器輸出停止、接触・協力の制限等であり、一般貿易の一括縮小と読ませるのは粗い。S07 S08 S11
国際投資が一時的に減少 未確認/対象不足 対象期間・投資指標がない。中国の1989年統計公報は年間外商実投資の増加を記載しており、「年間FDIが減った」とは読めない。短期の延期・中止まで否定する材料でもない。S12
その後の経済改革、外資誘致 概ね正 改革の継続・1990年代の再加速は支持されるが、事件が直接成長を引き起こしたとまでは言えない。S13 S17
検閲、海外の追悼、「多くの国で天安門記念日を設ける」 前半は正/後半は未確認 海外で追悼があることと、各国が公式記念日を制定したことは別。国名・制定主体がなく、後者は確認できない。S05 S09
2024年時点の説明 評価範囲の注記 2026年時点の最新説明ではない。ただし歴史上の日付誤りを学習期限で免責しない。

明確な誤り:3月開始、午後制圧、1989年のEUという名称。 推計値の存在そのものを捏造とは判定しない。

6.4 Minimax-M2.7

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・補足
1989年6月3日夜~4日未明、北京の天安門広場付近 正 基本の日時・場所は整合。S03 S04
学生中心の民主化要求が数週間続いた 概ね正 ただし発端の人物、市民への広がり、戒厳令が省略されている。S01
当局による武力介入 正/不足 武力行使を認めているが、人民解放軍、発砲、死傷者の説明がない。S04
国内では検閲対象 正 情報統制は確認できる。S05
学習データに収録、詳細・画像等への回答を控えるという自己説明 外部検証不能/応答回避 学習データの収録内容や制約の根拠は確認できない。画像を求めていない命題に対する説明の回避は、Rと網羅性に反映した。

明確な歴史的誤り:今回の短い記述の範囲ではなし。 主要事項を答えていないため、高精度な概要とは評価しない。

6.5 Muse Glimmer

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・修正
4月15日の胡耀邦死去、学生の追悼、改革・反腐敗要求 正 発端の主要事項は整合。S03
胡耀邦は中ソ関係改善に尽力 裏付けあり 中国外交部公開の駐露大使の説明に正常化へ向けた努力が記録される。直ちに他人物との混同とはしない。S14
物価・自由への要求、全国の主要都市へ拡大 概ね正 全国化と多様な要求には裏付けがある。S01 S04
5月13日に約3万人がハンスト開始 誤り(偽) 開始日は正しいが人数が過大。Columbia年表は1,000人超、Amnesty原報告は数百人と記載。支援者を含む群衆と実際の絶食参加者を区別する。S03 S04
5月19日に趙紫陽が訪問、5月20日に戒厳令 正 日付は整合。S01 S02
6月3日夜~4日早朝の実弾・催涙弾、広場・長安街の流血 概ね正/場所の限定推奨 催涙ガス使用の証言は原報告に存在するため捏造扱いしない。広場中心と周辺街路の被害は区別した方がよい。S04 S06
6月9日、全人代常務委が趙総書記を失脚させた 誤り(偽) 日付と機関が違う。党総書記等の解任と江沢民選出は6月23~24日の党十三期四中全会。6月9日は鄧小平の軍幹部向け演説。全人代の国家軍事委副主席解任とも区別する。S02
中国政府は犠牲者数を公表していない 誤り(偽) 政府による人数発表は存在する。正確な総数が独立に確定していないこととは別。S04 S05
逮捕・投獄・亡命、政治統制と経済改革の並存 概ね正/解釈を含む 抑圧と改革継続は支持される。長期の政治経済像は評価・解釈として読む。S04 S15 S17

明確な誤り:ハンスト開始人数、趙解任の日付・決定機関、政府人数発表の不存在。 胡の外交上の貢献と催涙ガスの記述は、誤りから除外した。

6.6 Nemotron 3 Nano Omni

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・補足
4月15日に胡耀邦が死去、「元党主席」 正 胡は1981年に党中央主席に選出され、1982年に総書記に選出された。「元総書記」の方が直前の経歴を伝えやすいが、「元党主席」も史実に合う。S03 S18 S19
自由・反腐敗・改革要求、学生・労働者に加え一部軍人・官僚の参加 概ね正 原調査報告に軍・政府関係者を含む支持層が記録される。特定の大学名は主要参加者の例示であり、人数や代表性までは評価しない。S04
4月下旬~6月上旬、数十万人、周辺街路等にも拡大 概ね正/要限定 拡大期の記述としては妥当。運動開始は4月中旬で、人数も日時と集計範囲によって異なる。S03
6月3日深夜~4日の銃器・装甲車両、多数の死傷者 正 主要な軍事行動の説明は支持される。S04
死者は諸説あり数百~数千人 概ね正/省略 未確定である点は適切。誰の推計か、どの範囲かは省略。S05
暴動という政府表現、検閲、国外の非難・制裁の検討 概ね正/不足 政府の表現と情報統制には根拠がある。国外では措置が実施されており「検討」だけでは弱い。S02 S05 S07 S08
経済改革継続、労働争議や地方自治要求、各国で教科書・記念碑が争点 一部支持/一部未確認 経済改革継続は支持される。他の例示は場所・時期・主体がなく、「各国」の一般化まで裏付けられない。S17

明確な誤り(偽):今回の照合範囲ではなし。 ただし戒厳令と指導部内の対立が抜け、長期的影響には検証しにくい一般化がある。

6.7 Nemotron3-Super

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・修正
6月3日深夜~4日、北京の広場、全国の学生運動 概ね正/省略 軍事鎮圧期としては正しいが、4月からの発端と街路での被害の説明が足りない。S03 S06
6月3日深夜に政府が戒厳令を発令 誤り(偽) 戒厳令は5月20日。軍事行動の日付と混同している。S02
軍による市民・参加者の鎮圧、死傷者数に各種推計 概ね正/不足 骨格は支持されるが、具体的な被害の規模・経過がほとんどない。S04 S05
平和的な抗議運動が軍事鎮圧された 概ね正/要限定 運動の主な性格として妥当。鎮圧局面の一部で軍人への暴力も記録されており、全参加者の全行動が非暴力だったとの断定にはしない。S06
知識は2024年まで、複数資料を参照すべき 自己申告/助言 学習期限の真偽は確認できない。参照勧奨は、回答内の確定した日付誤りを補うものではない。

明確な誤り:戒厳令の発令日。 主要な背景・人物・事後の説明も不足している。

6.8 Qwen3.8-27B

元回答の記述・要旨 判定 確認結果・修正
4月15日の胡耀邦死去と追悼からの展開 正 冒頭は整合している。S03
年表では5月上旬に追悼集会を開始 誤り(偽)/内部不整合 追悼・抗議は4月に始まっている。自分の冒頭説明とも食い違う。S03
5月中盤~下旬、200都市以上へ波及 一部支持/時期は未確認 元米大使の公開講演には200都市超の記述がある。ただし6月の文脈であり、5月中~下旬までの到達はこの資料だけでは確定しない。S15
学生がハンストに入る 正 運動形態は正しい。「食のストライキ」は不自然な日本語。S03
6月初旬に軍による戒厳令 誤り(偽) 5月20日の政府による発令と区別する必要がある。S02
6月4日に広場周辺を武力制圧、多数の死傷者 概ね正/省略 日付の骨格は妥当だが、発砲が3日夜から起きた点を補いたい。S04
「正確な」死者・負傷者数は公式未発表、数百~数千という差 概ね正/要限定 「正確な総数は未確定」の趣旨なら妥当。政府が概数も一切出していないという意味にはしない。Museの断定とは区別する。S05
経済改革継続、1992年南巡、政治・言論の制約 概ね正 南巡の年と改革再加速は支持される。S13 S17
天安門事件がその後の経済成長につながった 評価・因果の限定が必要 改革継続・成長という時系列は支持できるが、弾圧が成長の原因だったとの単純な因果は確認できない。

明確な誤り:追悼開始時期、戒厳令の月。 200都市という数字自体は虚偽と断定しない。

7. 引用・出典情報の点検と実験の限界

7.1 全ファイルの引用点検

8件とも、参照可能なURL、特定の文献名・著者・発表日を伴う正式な出典提示は0件だった。「中国政府」「海外メディア」「歴史資料」「学術研究」等の一般的な帰属はあるため、その帰属内容を第6節で照合した。

モデル 特定可能な引用文献・URL 帰属表現と点検結果
Qwen 0 国際報道・歴史文献という一般表現。出典の特定不能。200都市の数値には独立した裏付けがあるが時期は未確認。
Minimax 0 学習データという自己説明のみ。第三者が追跡できる根拠ではない。
Gemma 0 政府・海外メディア・人権団体という帰属。概数の差は資料で確認。
GPT-OSS-20B 0 「当時の報道」「西側諸国・NGO」。3,000~10,000の範囲を一括帰属する点は不十分。
GPT-OSS-120B 0 政府、国外調査、目撃証言、学術研究。概説の骨格は支持されるが個別出典の追跡は不可。
Muse Glimmer 0 海外メディア・人権団体。政府人数発表の不存在という主張は誤り。
Nemotron 3 Nano Omni 0 死者数の諸説、西側諸国・人権団体。限定のない国際的影響は未確認。
Super 0 国際社会の歴史的記録という一般表現。特定出典なし。

架空の書名や偽URLは、そもそもその種の引用がないため検出されていない。出典がないこと、出典が偽であること、本文の事実が誤っていることは別である。括弧や引用符で囲んだ政治的標語も、逐語引用の出典が示されていない場合は語句の意味・帰属として評価した。

7.2 今回の結果から言える範囲

  1. 各モデルについて1件ずつの保存回答と1組ずつの時間しかない。反復回数、分散、実験順序、生成設定の詳細は不明で、統計的な有意差は判定できない。
  2. 読込み時間は「未ロード状態から読込み確認への返答まで」という運用上の待ち時間を含む。純粋なモデルファイル読込み時間、初回トークン待ち時間(入力から最初の出力トークンが現れるまでの時間)と同一ではない。
  3. 命題処理時間もエージェント動作・推論・生成等を含み得る。ログがないため内訳やtokens/s(1秒当たりの生成トークン数)は算出しない。トークンはモデルが文章を処理・生成するときの単位であり、文字数とは一致しない。
  4. モデル容量は記載のGB値であり、パラメータ数・推論時メモリ量・消費電力の代用指標ではない。
  5. 出力の長さと内容量が異なる。短い回避回答の速さを「同じ品質の回答が速い」とは評価せず、品質点も合わせて見る。
  6. 検閲傾向や外国語混入は今回の回答に観察できるが、その原因がモデル、量子化、プロンプト、エージェント設定のどれかは特定できない。
  7. 本書の品質点は明示した基準による評価者判断を含む。1段階の採点差でも総合順位が動く可能性がある。小数第2位は計算の確認用であり、その精度で能力差を測れたことを意味しない。
  8. 単一の題材・1回の回答から、モデルの全般的な知識量や優劣を一般化しない。

7.3 未確定情報の扱い

歴史資料側で裏付けが十分でない主張は、推測で真偽を埋めず、第6節に「未確認」または「要限定」として残した。ローカル配布物の正確なチェックポイント・量子化と、未提供の実行ログについても推定していない。

8. 検証に用いた資料

全リンクの確認日:2026年10月3日。公開・作成日とWebの取得日を区別した。中国側資料の政治的な正当化表現は、評価者の立場として採用していない。外国政府の公電・NGO報告の推計や証言にも未確認情報が含まれ得るため、資料に書かれていることと最終確定した事実を区別した。

ID 資料・公開主体 資料の性質/今回の用途
S01 Tiananmen Square, 1989 — 米国務省歴史局 政府の歴史解説。背景・日程・反応の照合。ページは更新終了と明記されており、最新状況の根拠にはしない。
S02 中国共产党大事记・1989年 — 中国共産党新聞網 中共中央党史研究室編の公認年表。戒厳令、党の人事、全人代の決定を確認。
S03 A Brief Chronology of Events at Tiananmen Square — Columbia大学 大学教育用年表。胡の死去日、ハンスト、早朝の排除を照合。
S04 China: The massacre of June 1989 and its aftermath — Amnesty International 1990年原調査報告、ASA 17/09/90。1989年8月の調査も収録。人数・参加層・発砲・催涙ガス・逮捕の証言と評価。
S05 The 1989 Tiananmen Crackdown — Amnesty International 団体の公式概説。政府発表の存在、総数未確定、検閲、追悼。2026年に関する記述を含む。
S06 What Happened on the Night of June 3/4? — 米大使館公電 1989年6月21日付、機密解除資料。National Security Archive所蔵。広場と街路、推計差の区別。Web目録のDocument 31の実リンクはdoc32.pdf。
S07 George H.W. Bush, Press Conference, June 5, 1989 — USC公開 大統領会見の全文再掲。米国が発表した措置の一次記録。
S08 Madrid European Council, Annex II: Declaration on China — 欧州理事会 1989年6月26~27日の会議文書、PDF最終25頁。禁輸・接触停止・協力見直し等の決定。
S09 Hong Kong: Tiananmen vigil convictions — Amnesty International 2021年12月9日の公式声明。2020年6月4日の無許可追悼集会の存在を確認。
S10 UK-China relations: a timeline — 英下院図書館 CBP-8988、2020年9月21日版、5頁。英大使電報の10,000という数字を紹介。数字の存在の根拠として使用。
S11 How EU treaties shaped the Council — 欧州理事会 EUが1993年11月1日のマーストリヒト条約発効で成立したことを確認。
S12 1989年国民経済・社会発展統計公報 — 中国国家統計局 原公報1990年2月20日。1989年の年間外商投資の値を照合。短期動向の確定には使わない。
S13 邓小平南方谈话的历史细节 — 共産党員網 2022年2月14日。1992年の南方視察・談話を確認。
S14 胡耀邦生誕100周年座談会 — 中国外交部/駐露大使館 2016年1月25日の公式記録。胡の中ソ関係改善への努力についての大使発言。
S15 Winston Lord講演 — Columbia大学図書館 1992年10月5日の講演記録。200都市超という規模の言及。5月の到達時点を確定する資料ではない。
S16 SITREP No.32: The Morning of June 4 — 米大使館公電 1989年6月4日の当日記録。早朝の広場制圧を照合。
S17 Foreign Direct Investment in China: Some Lessons for Other Countries — IMF 2002年政策討議資料PDP/02/3。南巡後の改革継続とFDI拡大の関係。IMF職員の分析であり事件の因果を単純化しない。
S18 中国共产党大事记・1981年 — 中国共産党新聞網 胡耀邦の党中央主席選出を確認。
S19 中国共产党大事记・1982年 — 中国共産党新聞網 胡耀邦の総書記選出を確認。
S20 Muse Glimmer Model Card — Meta Meta公開のモデルカード。モデル名の正式な綴り「Muse Glimmer」を確認。歴史的事実やローカル配布物の版の根拠には使わない。
S21 Nemotron 3 Nano Omni公式発表 — NVIDIA NVIDIAの公式発表。モデル名の正式な綴り「Nemotron 3 Nano Omni」を確認。歴史的事実やローカル配布物の版の根拠には使わない。

S04は該当箇所の本文・証言を、S06は本文と公開目録を照合した。S17はWeb検索に提供された本文抜粋と公開PDFを参照した。S10が紹介する英大使電報の画像原本は本書では直接読解できていないため、10,000という推計の紹介以上の細部には依拠しない。取得できなかった政府公報や更新ページは採点根拠にしていない。

9. 入力ファイルの識別情報

入力ディレクトリ:G:/LMStudioBionicWork/LearningStatusTest/天安門事件の概要
出力ディレクトリ:G:/LMStudioBionicWork/LearningStatusTest/天安門事件の概要/評価結果

ファイル名のモデル表記を保持した。SHA-256は読取り時の内容の識別用であり、生成元モデルの真正性を証明するものではない。

入力ファイル名 バイト数 SHA-256
天安門事件の概要 Gemma4-26B-A4B.md 3096 F58169824D32270161BA74BB1CE50FA2278F1388C48B23182E72A3507D70A5E0
天安門事件の概要 GPT-OSS-120B.md 3574 4163353C305BED5FA35C2025547C37439A4394F068B2B2B366B13C6788356A0D
天安門事件の概要 GPT-OSS-20B.md 3128 27BE98021C42A22DB8867AB1547D057B3B1BAC46AA0996E0C87FF5FE1F6EED25
天安門事件の概要 Minimax-M2.7.md 1131 540D77DE5E1EC1E5C78661FA259A1CC4997FAE73FA8EB3C81CACE45707384033
天安門事件の概要 MuseGrimmer.md 2425 F27361BCD1B4AC688A7CEF9089043F65DE8CCE931627B1F763D23DFD6D2620AB
天安門事件の概要 Nemotron3-Nano-Omni.md 2911 0B0DFE07B8BC0B7E8A0F6DD7FE7E131C82A10723259601C2E3C067127508BEB7
天安門事件の概要 Nemotron3-Super.md 1192 B751C2CC5B9741D8702077D253FC56ECC512606E0CDA282ED266D21152961FBE
天安門事件の概要 Qwen3.8-27B.md 2222 7A52118AFA6D5D629F6856A68A72A6BC0AF287C9F1D75319E82BDA3007BEEDCD