1. 出力データを作る
アプリとOS、CPUやGPUが、画素の色、音の波形、印刷する点、モーターの目標位置などを数値で表します。
LESSON 06 ・ OUTPUT
出力装置は、処理結果を表すデータを、光、音、印刷、振動、動きなど現実世界の変化へ変える「出口」です。
BIG PICTURE
ノイマン型コンピュータの5大機能では「出力」に当たります。CPUが計算しただけでは、まだ人は結果を見たり聞いたりできません。
出力は変換:同じ数値でも、ディスプレイへ送れば明るさや色、スピーカーへ送ればその瞬間の振動、モーター制御回路へ送れば回転の指示として使われます。
INSIDE AN OUTPUT PATH
装置の種類が違っても、準備、時刻調整、信号変換、物理変換という流れがあります。
アプリとOS、CPUやGPUが、画素の色、音の波形、印刷する点、モーターの目標位置などを数値で表します。
へデータを置き、一定の速さで途切れずに取り出せるようにします。
表示コントローラ、音声回路、プリンタ制御回路などが、接続規格と装置に合う電気信号へ変換します。
発光素子、振動板、インクやトナー、モーターやヒーターが、電気信号を人や物が受け取れる変化へ変えます。
DEVICE TYPES
| 装置 | 受け取る主なデータ | 物理的な出力 | 時間との関係 |
|---|---|---|---|
| ディスプレイ | 画素ごとの色、同期情報 | 面上の光 | 1秒に何十〜何百回も更新 |
| スピーカー | 時刻ごとの音の大きさ | 空気の振動 | 一定間隔で連続出力 |
| プリンタ | ページ上の点、色、機械制御 | 紙などに残る模様 | まとまりを順番に処理 |
| ランプ・振動装置 | ON/OFF、明るさ、振動パターン | 光や振動 | 状態や通知に合わせて変化 |
| モーター・アクチュエータ | 速度、位置、力の目標値 | 回転や直線運動 | センサーの入力と組み合わせて制御 |
DISPLAY PIPELINE
画面表示はGPUだけでも、ディスプレイだけでも完成しません。データを作る側、一定の時刻で送る側、光へ変える側が協調します。
DISPLAY DEVICES
GPUが画像を計算する処理と、表示デバイスが像を作る処理を分けて見ます。表示方式が変わっても、画面を行と列に分けて繰り返し更新する考え方は受け継がれています。
では、電子銃が作る細いビームを偏向コイルで左から右へ動かします。必要な位置でビームを強くし、蛍光面の点を光らせます。
右端へ着いたら消灯して次の行の左へ戻り、最後の行まで繰り返します。画面全体を描いたひとまとまりが1フレームです。
RESOLUTION AND DENSITY
画面に何個の点があるかと、一定の長さへどれだけ細かく詰めたかを区別します。
横と縦の画素数です。1920×1080なら1画面に2,073,600画素あります。
画面全体を1秒間に更新する回数です。60 Hzなら毎秒60フレームを表示します。
は1インチ当たりの画素数です。同じ解像度でも画面が小さいほど密度は高くなります。
1920×1080・60 Hzの例:見えている部分だけでも、毎秒約1億2442万個の画素値を送り続けます。実際の映像信号には行やフレームの切り替え時間もあります。
THREE DISPLAY PRINCIPLES
| 方式 | 光を作る方法 | 画素の制御 | 重要な違い |
|---|---|---|---|
| CRT | 電子ビームを蛍光面へ当てる | ビームを走査し、位置ごとに強さを変える | 固定された液晶画素ではなく、動く輝点で像を描く |
| LCD | バックライトの光を利用する | 液晶分子と偏光板で、各副画素を通る光量を調整 | 液晶自体は発光せず、後ろの光を調節する |
| OLED | 有機発光層へ電流を流す | TFT画素回路が各副画素の電流を調整 | 各副画素が自ら発光し、一般的なバックライトは不要 |
バックライト → 偏光板 → 液晶 → カラーフィルターという層を通ります。画素電圧で液晶分子の向きが変わり、通過する赤・緑・青の光量を調節します。
TFTが有機発光層へ流す電流を制御します。電子と正孔の再結合で生じたエネルギーが、赤・緑・青などの光になります。
DISPLAY SIGNAL AND DRIVE
現在の平面パネルには電子ビームがありません。それでも、フレームバッファを行ごとに読み、表示位置と時刻を揃えて送る必要があります。
フレームバッファを途切れず読み、画素の順序、行、フレームの切り替え時刻を作ります。GPUと一体の場合も別回路の場合もあります。
の略です。パネルの行と列へ信号を配る時刻を管理します。
の略です。デジタルの画素値をパネルが必要とする駆動信号へ変えます。
LCDやOLEDでは、CRTのように電子ビームが画面を走りません。しかし、画素データを行とフレームの順で配り、一定周期で更新する時間的な順序は残っています。
SMALL EXPERIMENT
赤・緑・青をそれぞれ0〜255で指定し、三つの光を加えて色を作ります。
画素データ:RGB(36, 142, 210)
16進表記:#248ED2
実際のディスプレイでは、画素の方式、明るさの補正、色空間、表示装置の特性なども関係します。
AUDIO OUTPUT
録音時に数値へ変えた音声は、再生時に逆向きの変換を行います。
CPUの処理やストレージ読み出しに一時的な遅れがあっても、一定速度で音声を送り続けられるよう先のデータを用意します。
Digital-to-Analog Converterの略です。一定間隔の数値を電圧へ変え、不要な高周波成分をフィルタで抑えて連続信号に近づけます。
途切れる理由:再生に必要な時刻までに次の音声データがバッファへ届かなければ、音切れが起こります。大きなバッファは途切れにくい反面、操作から音が出るまでの遅延が増えます。
PRINT AND MOVE
ページを点の集まりへ変換し、インク滴を吹き付ける、トナーを静電気で配置して熱で定着するなどの方法で、結果を物体へ残します。
制御値を電流やパルスへ変え、回転、位置、力を作ります。ロボット、車、工作機械、空調などで使います。
振動、点字ディスプレイ、音声読み上げなどにより、視覚以外でも状態や情報を受け取れるようにします。
CPUの信号だけで大きなモーターやヒーターを直接動かすことはできません。電力を扱う駆動回路、温度や位置を測る入力、異常時に止める保護機構を組み合わせます。
APPLICATION TO DEVICE
現在のコンピュータでは、アプリが装置の電気信号を直接作るのではなく、OSとドライバが間をつなぎます。
装置が「用紙切れ」「接続済み」「現在位置」などを返す場合、その情報はコンピュータへの入力です。多くの周辺装置は出力だけでなく、状態入力も行います。
DRAW THE LETTER G
HOW TO COMPARE
PRIMARY REFERENCES
GPU教材から移した表示デバイス・表示信号の説明は、次のメーカー資料・技術資料に基づいています。
GPUとディスプレイは同じ装置ではありません。GPUは主に画素データを計算し、表示コントローラが一定周期で送り、ディスプレイが光へ変えます。また、タッチパネルやプリンタの状態通知のように、一台で入力と出力の両方を行う装置もあります。
CHECK
画面1枚分の画素の色データを保持します。表示コントローラが一定周期で読み出してディスプレイへ送ります。
GPUは描画命令を処理して画素データを作り、ディスプレイは受け取った映像信号を光へ変えます。間にはメモリと表示コントローラもあります。
時間順に並ぶデジタル値を、連続的に変化する電圧へ変えます。その信号を増幅して振動板を動かします。
一時的な処理の遅れで表示や音が途切れにくくなる一方、操作から出力までの遅延が増える場合があります。